『有機化学演習』有機化学を極めるための使い方を紹介
有機化学に特化した参考書・問題集として知られる「有機化学演習(駿台受験シリーズ)」。
今回はこの本の特色、使い方、一緒に利用したい参考書まで丁寧に紹介・解説していきたいと思います。
本の構成
第1章「有機化学の基礎」、第2章「有機化学演習」で構成。第1章では、大学入試に必要と思われる有機化学の基礎知識を23項目に分け、入試出題頻度をも考慮してできるだけ簡潔に記述。第2章では、最も典型的な問題56題を<例題>として取り上げて解説し、各節末には<練習問題>と「練習問題の解説と解答」を加えて構成。(引用:Amazon)
この第2章の<例題>が非常に重要で、実際の入試問題から抜粋した良問が並んでいます。
本のレベル・対象者
有機化学に特化した参考書であるため、有機化学を確実に得点源にしたい方、有機化学の難易度が高い大学を受験される方、有機化学を得意分野にしたい方が対象となります。
レベルとしては偏差値60~65程度となります
また、第1章で基礎を取り扱っているとはいえ、本書でメインとなる第2章の<例題>は実際の入試問題から抜粋されているため、ある程度有機化学の基礎が身についている方が望ましいです。
基礎力から身につけたい方は「鎌田の有機化学の講義 三訂版(大学受験Doシリーズ)」がオススメです。
本の特色
(1)とにかく<例題>が優秀
<例題>はポイント、解説、答の順に分かりやすく例題の解説がされています。
ポイントでは、例題における重要点、注意点、出題頻度などが記述されていて、問題を解くときにどう考えればよいかなど問題の概要を知ることができます。
解説、答は通常の問題集と同じように、詳しく答えまでの道筋を確認することができます。
後述しますが、これだけやれば有機化学はOKと言えるくらいの良問が揃っています
(2)網羅性の高さ
本書は元素分析から合成高分子までを抜け目なく網羅的に取り扱っています
特に出題頻度の高い分野は問題数も多くなっています
(3)実際の大学入試問題から良問を厳選
本書では下は無名私立大から、旧帝大、早稲田慶応の問題まで掲載されています。
最新の入試問題を検討し、出題頻度の高い内容を含む問題のみを大学入試問題から厳選、採択してあるようです
良問揃いになるのも納得ですね
(4)取り扱いは有機化学のみ
もちろんメリットだけでなく、デメリットも存在します
それは、本書では有機化学しか勉強できないということです
ただ、大学受験において有機化学は頻出分野でありながら、やればやるだけ点がとりやすい分野でもあるので、本書に取り組む価値は十二分にあります。
使い方
まずはとにかく例題を解きましょう。例題を解くにあたって疑問点や暗記がもれている点があれば第1章でその部分を参照しましょう。
例題は最低2周は解いてください。できれば3周は取り組みたいところです。
正直1周では定着度が低く、全く意味がないと思います(個人差にもよると思いますが)。
期間は1~2か月くらいです
本書の前後に取り組みたい参考書
鎌田の有機化学の講義(大学受験Doシリーズ)
こちらは有機化学の分野を網羅的に分かりやすく整理しているいうなれば「有機化学のバイブル」です。
僕は高校の有機化学の授業中はずっとこれを読んでいました(笑)
これを繰り返し読み、練習問題を解いていけば有機化学の基礎は完ぺきになると思います。
付属の「最重要Point総整理」というもので暗記事項もしっかりと頭に叩き込むことができます
「有機化学演習」の前に取り組みたい本です
化学重要問題集
化学の問題集といえばこれというくらいの名書ですね。
これを1冊完ぺきにすれば超難関大以外の大学で化学が点を稼げる科目になります。
ただレイアウトが問題を白黒印刷で並べているだけなので合わない人もいると思います
時間のない方は理論・無機はこちらで取り組んで、有機は「有機化学演習」で取り組むというのが良いと思います
時間があれば「有機化学演習」を取り組んだのち、こちらで有機の総仕上げをすると良いです
化学の新演習
こちらは難関大向けの問題集です
正直旧帝未満の大学では必要ないです。旧帝レベルでも化学で点を稼ぎたい人以外は「重要問題集」で十分です
ただ、超難関大レベルの方には必須レベルの良問がそろっているので、化学が得意な人はぜひ取り組んでみてください
まとめ
これをやれば有機化学が得意分野になることは間違いないと言い切れるほどの良書です
駿台文庫の参考書は個人的にデザインがかっこよくてすき^^
受験生のみなさんもよければぜひ使ってみてくださいね(^^)/